ペットシッターの動物取扱業許可、都道府県で異なる理由
ペットシッターとして業務を行う上で、動物取扱業の許可が必要となることはご存じでしょうか?この動物取扱業の許可、実は都道府県ごとに手続きや基準が異なる場合があります。なぜこのような違いが生まれるのでしょうか?その背景を解説します。

1. 動物取扱業とは?
まず、動物取扱業とは、「動物の愛護及び管理に関する法律」(動愛法)に基づき、動物を扱う事業を営む際に必要な許可・届出のことです。具体的には、動物の販売、保管、貸出し、訓練、展示、競りあっせん、譲受飼養といった行為が該当します。ペットシッター業は、基本的に「保管」に該当するため、第一種動物取扱業の登録が必要となります。
2. なぜ都道府県で異なるのか?
動物取扱業の許可・届出に関する基本的な枠組みは動愛法によって定められていますが、細かな運用や基準については、各都道府県知事の権限に委ねられている部分があります。これには、以下のような理由が考えられます。
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地域の実情: 動物の飼育状況やペットビジネスの発展度合い、動物愛護の意識などは地域によって差があります。都道府県は、それぞれの地域の実情に合った規制や基準を設けることで、より適切な動物の保護管理を行おうとしているのです。
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行政の裁量: 動愛法は、ある程度の裁量を都道府県知事に認めています。これにより、各都道府県は、独自の判断に基づき、許可・届出に関する要件や手続きを細かく定めることができます。
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条例による規制: 各都道府県や市町村が、動愛法の範囲内で、より詳細な条例を定めることができる場合もあります。これにより、さらに地域ごとの特色が現れることがあります。
3. 具体的な違いの例
実際に、動物取扱業の許可・届出に関しては、都道府県によって以下のような違いが見られます。
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申請書類: 必要な書類の種類や書式が異なる場合があります。
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飼養施設の基準: 飼養施設(ペットを保管する場所)の広さや設備に関する基準が異なる場合があります。ペットシッターの場合、多くは訪問先での世話となるため、飼養施設の基準が問題となることは少ないですが、一時的にペットを預かる場合などは注意が必要です。
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申請窓口: 申請を受け付ける窓口や申請方法が異なる場合があります。
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手数料: 申請にかかる手数料が異なる場合があります。
4. ペットシッター事業者が注意すべきこと
ペットシッターとして事業を始める場合、事業所がある都道府県の動物愛護担当部署(例:動物愛護センター)に問い合わせて、具体的な要件や手続きを確認することが非常に重要です。
安易な自己判断は、法令違反につながる可能性もあります。必ず事前に確認し、必要な許可・届出を済ませてから事業を開始するようにしましょう。
まとめ
ペットシッターの動物取扱業許可が都道府県で異なるのは、地域の実情に合わせた適切な動物保護管理を行うためです。事業を始める際は、必ず所轄の都道府県に確認し、正確な情報を入手することが不可欠です。